サブ課題B

エネルギーの変換・貯蔵 – 電気化学エネルギー

電池技術の重要問題に挑戦し蓄電・水素エネルギー社会の実現に貢献

サブ課題 B 目標

サブ課題Bでは、二次電池、燃料電池を対象に、計算科学による電子・分子レベルからのボトムアップの全電池シミュレータを構築し、二次電池、燃料電池の改良及び新しい電池の実現に貢献することを目指しています。

二次電池とは、充電できる電池のことで、スマートフォン、ノートパソコンや電気自動車で使われている電池です。二次電池の性能が向上すると、スマートフォンの軽量化や連続長時間利用、電気自動車の走行距離の延伸や低価格化が可能となります。また、現在は、希少金属であるリチウムを使う二次電池が多いのですが、これからの研究により、もっとありふれた元素を使う電池ができれば、希少金属の保存や電池などの低価格化という点でも役立ちます。 燃料電池は、水素と酸素から水が出来る反応を利用して発電しています。既に、燃料電池で走る自動車も発売されていますが、電池としては、低価格化や長寿命化等いろいろと改善すべき点が残っています。

これらの二次電池、燃料電池は、構造も仕組みも違うのですが、電極と電解液(質)を通して電気を取り出すという点は同じです。実験では決して見ることができない、電極周りの反応や分子や電子の振る舞いを見るため、世界最先端の第一原理分子動力学ソフトstat-CPMD、同STATE、混合MC/MD反応法ソフトRedMoonおよび古典分子動力学ソフトMODYLASを使って全電池シミュレータを開発しています。全電池シミュレータとポスト「京」の強力な計算パワーを使って、新たな電池の提案や性能の改善に繋げることがサブ課題Bの目標です。

サブ課題 B 概要

第一原理電子状態理論に基づく電極反応の計算と分子動力学法に基づく電解質、セパレータの計算を統合させることにより、均一系の化学・表面物性・粗視化に基づく材料科学的なアプローチでは理解が困難であった二次電池や燃料電池の分子論を構築します。またこの方法を用いて、個々の部材の性能に加えて、システムとしての二次電池の充放電曲線や燃料電池の電流電圧曲線を予測し、信頼性の向上に貢献できる手法を確立します。これにより、次世代・次々世代電池技術の重要問題に挑戦し、蓄電・水素エネルギー社会の実現に貢献していきます。

本サブ課題では、電極シミュレーション、イオン輸送・電解質膜シミュレーションから成るシミュレータを開発し、電極界面の微視的挙動の解析の実現に取り組んでいます。これに基づき、サイクリック・ボルタンメトリー(電流電圧曲線)計算や界面酸化還元反応問題等に対応可能なボトムアップ型の全電池シミュレータの開発を目指しています。

電極シミュレーション

アプリケーションソフトウエアstat-CPMD、STATE を拡張し、電位差が印加された状況下等での反応自由エネルギーの計算を可能にし、その手法の有効性をリチウムイオン電池や燃料電池で確認した後、全固体電池、ナトリウムイオン電池、リチウム空気電池などの次世代二次電池や白金代替燃料電池へと展開します。

グラファイト負極・SEI膜モデル・電解液

グラファイト負極・SEI膜モデル・電解液

イオン輸送・電解質膜シミュレーション

主としてMODYLAS による古典分子動力学シミュレーションに基づいて二次電池電極界面、燃料電池三相界面等の不均一系におけるイオン輸送の分子機構を解明します。

高分子電解質膜フレミオンのミクロ相分離構造

高分子電解質膜フレミオンのミクロ相分離構造

更に、アプリケーションソフトウエアRedMoon により、電極・電解液界面のSEI 膜形成機構を解明します。リチウムイオン電池系の界面被膜形成に電解液組成などが与える効果を原子レベルから解析します。

サブ課題 B 成果

これまでの成果をご紹介します。

名古屋大学 大学院情報科学研究科

長岡 正隆、竹中規雄、高柳昌芳、藤江拓哉

名古屋大学 大学院工学研究科

岡崎 進、篠田 渉、藤本 和士、安藤 嘉倫、吉井 範行、坂下 達哉

サブ課題 B 研究体制

燃料電池(東京大学・名古屋大学)、二次電池(物材機構・名古屋大学)を中心に研究開発を行っています。
サブ課題全体の推進に責任を持つサブ課題責任者を設けています。

【図23】PPT資料[2-5 補足資料]p12テキスト、グラフ入る
  • サブ課題責任者
  • 杉野 修 准教授
  • 東京大学 物性研究所
  • サブ課題実施者
  • 館山 佳尚 GL
  • 物質・材料研究機構 エネルギー・環境材料研究拠点
  • サブ課題実施者
  • 長岡 正隆 教授
  • 名古屋大学 大学院情報学研究科
  • サブ課題実施者
  • 岡崎 進 教授
  • 分子科学研究所/名古屋大学 大学院工学研究科

サブ課題 B 実施計画

平成31年度までのシミュレーション技術の確立と実証と先行的成果の創出に向けて、年度ごとに目標を立てて研究開発に取り組んでいます。

【図25】ppt資料[岡崎先生_親WG資料案_V12_印刷用]p3の図入る
※「実施計画」ページの【図88】より「サブ課題B」の部分を流用