サブ課題B 成果例005
名古屋大学 大学院情報学研究科
- 長岡 正隆、竹中規雄、高柳昌芳、藤江拓哉
電極反応の複合効果を含む混合MC/MD反応法を用いたSEI膜形成シミュレーション手法の改良を開始した。
二次電池の負極—電解液界面に形成されるSolid Electrolyte Interphase (SEI)膜の原子スケール構造・物性およびその形成機構は長年の謎であった。混合MC/MD反応法(REDMOON法)を用いて、炭素極(アノード)とプロピレンカーボネート(PC)の電解液の界面における保護膜形成に関する大規模シミュレーションを行ったところ、添加物としてフルオロエチレンカーボネート(FEC)が存在するときに、不可逆容量の小さい滑らかな膜が形成されることがわかった。この結果は「京」で可能になるような大規模シミュレーションから添加物の有効性が初めて示されたものとして評価される。