サブ課題B 成果例002
物質・材料研究機構 GREEN/cMI2/MANA
- 館山 佳尚、袖山慶太郎
リチウムイオン電池の高電圧化と高安全化を可能にする電解液開発への貢献
二次電池の小型化・軽量化に向けてエネルギー密度のより高い電池開発の要請があり、その実現のために高電圧(5V級)を実現する正極の開発が活発に行われている。しかし、その高電圧に耐えられる電解液が存在しなかったため実用化に向けて大きな課題であった。我々は超濃厚電解液がその課題であった酸化還元耐性を持つことを見出すと同時に、「京」を用いたシミュレーションによりリチウム周辺の特殊な溶媒和構造および特徴的な溶媒状態が、この耐性をもたらすという示唆を得た。これらの知見により3.7Vから4.6Vへの高電圧化をより普遍なものにし、最大25%のエネルギー密度増加(小型化・軽量化)を伴った新型電池の開発が加速されることが期待される。