非白金系燃料電池触媒の候補として我々が提案したBN/Auが酸素還元および水素発生に極めて有効な電極触媒として機能することを実証できたので、平成29年度はそれを踏まえ、理論-実験の連携を強めて、BN/Auのさらなる高機能化に取り組んだ。
　右図に、理論-実験の連携により酸素還元反応に有効であることが示されたAu/BN/Au （BN/Auに金クラスターを担持した系）についての計算結果を示す。BN/Auの系では酸素還元反応の中間体であるO+OHが不安定となり酸素は過酸化水素までしか還元されないが、AuクラスタをBN/Auに担持することによりO+OHの吸着状態が安定化し、水分子まで還元される機構が明らかとなった。