研究成果

これまでに創出した成果をご紹介します。

サブ課題A 成果例013

神戸大学 大学院科学技術イノベーション研究科
  • 天能 精一郎、大西 裕也、土持 崇嗣、上島 基之、Xu Enhua

【H29年度】PHFソルバーの検証(超微細構造定数(HFC))

 PHFソルバーの検証のため、 [MnIIIMnIV(μ-O)2(μ-OAc)DTNE]2+ のMn55超微細構造定数(HFC)の計算を行い実験との比較を行った。
 BS-UB3LYPではスピン混入が大きいためMn核のスピン密度が高く、HFCが過大評価する傾向があることがわかった。一方、PHFではスピン射影によって高次スピン混入が除去されるので実験に対して定量的な結果が得られることがわかった。さらに四核遷移金属錯体であるMnクラスターでも同様に実験を再現することがわかった。以上のことからPHF法はCASSCF法では計算不可能な十分大きな系に対してもHFCの実験値を再現できるので、錯体系光触媒の理論設計において有用な手法であると言える。

a  Basis set employed is aug-cc-pVTZ-J for Mn atoms. EPR-II is used for the other atoms.
b  K. O. Schaefer et al., J. Phys. Chem. B, 107 1242-1250 (2003).