サブ課題A 成果例011
神戸大学 大学院科学技術イノベーション研究科
- 天能 精一郎、大西 裕也、土持 崇嗣、上島 基之、Xu Enhua
【H29年度】PHFソルバーの検証(純粋スピン状態の構造と超微細構造定数)
PHFソルバーの検証のため、[Fe2S2]2+ではHighスピン状態(11重項)とLowスピン状態(1重項)で構造最適化を行った。
PHF法におけるFe-FeおよびFe-Sの平衡核間距離は CASSCF(22e,16o)と比較して0.03Å以内の差異しか見られず、ほぼ等価な構造であることがわかった。ここでCASSCF(22e,16o)では2×107の電子配置が必要であるのに対してPHFでは単一電子配置であるので計算コストが非常に低い。そうでありながらCASSCFと等価な最適化構造であったことからPHF法は非常に効率的に静的相関を記述をする手法といえる。