サブ課題A 成果例010
神戸大学 大学院科学技術イノベーション研究科
- 天能 精一郎、大西 裕也、土持 崇嗣、上島 基之、Xu Enhua
【H29年度】イニシエータ近似モデル空間量子モンテカルロ法(i-MSQMC)
イニシエータ閾値Ithrが大きいi-MSQMCにおいては非イニシエーターが十分にサンプリングされないのでサイズ示量補正が小さくなるという問題があった。
そこでイニシエーターの相互作用空間にあるウォーカーであれば生存可能であるという新規生存判定基準を開発した。これによってN2分子、Ithr=15で従来の判定基準であれば6m Hartree程度あったエネルギー誤差が新規法であれば1m Hartree以内となった。
また、ウォーカーのバイナリ表現をKey値とし、Hash値をランク番号としたハッシュ関数を定義し、AlltoAll通信することによって、均一でかつ効率的なウォーカーのメモリ分散が可能となった。「京」を用いればCr2のFCIエネルギーも1m Hartree以下の誤差で計算できるようになった。