研究成果

これまでに創出した成果をご紹介します。

サブ課題B 成果例014

名古屋大学 大学院工学研究科
  • 岡崎 進、篠田 渉、藤本 和士、吉井 範行、安藤 嘉倫、坂下 達哉、Chunwei YANG

【H29年度】MODYLASの高速化

 MODYLASの計算は大きく分けて高速多重極展開法(FMM)計算部の演算と通信、対相互作用計算部の演算と通信とからなる。このうち、平成28度開発したリファクタリング版を用いて、まずはFMM演算に対して基底関数のsolid harmonicsへの置換、漸化式、多極子の対称性の利用、極座標軸の回転による単純化など新規アルゴリズムの実装を行い、性能検証を行った。その結果、昨年度までのものと比べてFMM演算の演算量を最終的に約1/6にまで削減した。
現在、新規アルゴリズムの導入に伴い新たに発生した速度の劣化の解消に向けた検討へとステージを移している。一方でFMM通信に対し、システム構成に依存しない高効率な座標および多極子の新規MPI通信方法を開発し、プロトタイプのプログラムを作成した。これにより、1/2にも及ぶFMM通信時間の削減が期待される。対相互作用演算に対しては、作用反作用の原理の利用などにより処理時間を1/2に削減した。また、通信についてもFMM通信と同様な新規アルゴリズムの導入により通信量を1/2に削減する見通しを得た。

M2L演算量
新しいFMM通信(概念図)