サブ課題B 成果例001
物質・材料研究機構 GREEN/cMI2/MANA
- 館山 佳尚、袖山慶太郎
水を用いた安全・安価・高性能なリチウムイオン電池の開発と機構解明
次世代の二次電池に対する要請として小型化・軽量化に加えて高安全性化、低コスト化が挙げられる。これらを全て網羅する電解液として我々は水を含んだ「ハイドレートメルト」と呼ばれるカテゴリーの電解液が有望であることを実証し、さらに「京」を用いたシミュレーションによりその微視的機構を明らかにした。従来、水は酸化還元耐性が低くリチウムイオン電池には使えないというのが常識だったが、濃厚電解液においては水分子が従来の水とは全く異なる構造的特徴を持つことが明らかになり、それがリチウムイオン電池への利用を可能にすることがわかった。水は安価で燃えない溶媒であり、本発見は安全性と高性能を両立した電解液の一つのブレークスルーとなっている。