研究成果

これまでに創出した成果をご紹介します。

サブ課題C 成果例013

早稲田大学 先進理工学部
  • 中井 浩巳、吉川 武司
早稲田大学 理工学研究所
  • 西村 好史、周 建斌

【H29年度】アミン水溶液中で起こるCO2吸収素反応の速度論

 アミン水溶液中で起こるCO2吸収素反応の速度論に関する解析を可能とした。具体的には、素反応に対する速度論モデルを構築し、シミュレーションにおける反応物・中間体・生成物の分子数の時間変化へフィッティングすることで速度定数を見積もった。本手法をCO2濃度が異なる複数のモノエタノールアミン(MEA)水溶液モデルに適用した。構築した速度論モデルの妥当性は、解析から求めたアミンのpKaが実験値からの誤差 0.5 pKa (自由エネルギーでは 2.9 kJ/mol)以内の精度で算出されることにより検証した。解析から得られた速度定数により、カルバメートの形でCO2が吸収される際の律速過程は双性イオンの脱プロトン化反応であることが示唆された。

CO2吸収シミュレーションに用いたアミン水溶液モデル
シミュレーションから得られた化学種の時間変化(実線)と速度論解析を用いたフィッティング結果(破線)
A. W. Sakti, Y. Nishimura, H. Sato, H. Nakai, Bull. Chem. Soc. Jpn. 90, 1230 (2017).