サブ課題A 成果例020
神戸大学 大学院科学技術イノベーション研究科
- 天能 精一郎
神戸大学 システム情報学研究科
- 土持 崇嗣
【H30年度】ポストPHF法の研究開発
ポストPHFにおいて最も計算コストの高いステップは、仮想軌道のみからなる分子積分 (ab|cd) とCI係数t(cd,ij) の縮約であり、仮想軌道数が占有軌道数の数倍〜数十倍必要になる高精度計算においては、この部分が計算時間のほぼ全てを占めていた。
平成30年度は、電子ペアijに対して分散するMPI-OpenMPハイブリッド並列実装を行い、これを平成29年度で達成した分子積分を用いない省メモリ計算法と組み合わせることにより、高いロードバランスで並列化することに成功した。m-ベンザイン分子(占有軌道数28、仮想軌道数432)や鉄硫黄クラスター(占有軌道数30、仮想軌道数が358)に対して適用したところ、高い並列性能を示し、32コアで24倍程度の加速化が得られた。