研究成果

これまでに創出した成果をご紹介します。

サブ課題A 成果例014

理化学研究所 計算科学研究センター 量子系分子科学研究チーム
  • 中嶋 隆人、神谷 宗明、中塚 温、嶺澤 範行、米原 丈博、澤田 啓介、植村 渉、Rahul Maitra

【H29年度】密度汎関数理論のメモリ分割版大規模超並列計算プログラムの開発

 大規模分子の基底電子状態計算を「京」やポスト「京」で実行することを目的として、メモリ分割並列化された疎行列版密度汎関数理論 (DFT) 計算プログラムの開発を行った。
 従来の密行列版DFT計算プログラムでは、分子サイズの増大にしたがって密度行列およびFock行列の配列サイズが飛躍的に増加するため、これらの配列を中心に疎行列化およびメモリ分割化を行った。また、MPI/OpenMP並列化実装及びプログラムのチューニングを行い、計算の高速化及び高効率化を行った。 「京」4,096ノードのDFT計算によって、水分子クラスターの基底数依存性を調べたところ、ほぼO(N2)スケーリングになっていることがわかった。また、9,546原子からなる水分子クラスターについてストロングスケーリングを計測したところ、「京」1,024ノードを基準として4,096ノードで71%、16,384ノードで38%の高い実行性能を持つことがわかった。

太陽電池シミュレータの密度汎関数法
計算部の「京」コンピュータでの並列性能

K.Sawada, W.Dawson, and T.Nakajima “Development of large-scale ab initio quantum chemical code based on massively-parallel sparse-matrix library”, The 8th AICS international symposium, Kobe, Feb. 8, 2018.